[記事訳]GDはトップライナー、ユンサンはOnePiece…一体どういうこと? ビヨンセの1曲に13人が? 私たちが知らなかった作曲の世界

最近のK-POPは共同クレジットや作曲・プロデュースチームなどによる曲が本当に多いですが、そういった動向についての分かりやすい記事を訳しました。

 

原文はこちら→ http://star.ohmynews.com/NWS_Web/OhmyStar/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002321034

 

ユンサンによるプロディースチーム ‘OnePiece’はLovelyzの曲を多く手掛け、最近MVが公開されたこの曲もOnePieceによるもの。OnePieceについてはこちらの記事訳もご参考ください。[記事訳]2016年、国内で最もホットな作曲家は誰?

 

 

2017/04/29  by キム・サンファ

 

過去には大部分の楽器をうまく扱い、楽譜を直接書けなければ作曲はできず、それに従い一人ないしは多くても二人程度の人数で曲を作る、事実上個人創作の時代だった。

しかし各種の装備および音楽ジャンルの流れが変わり、伝統的な方式の代わりにコンピューターを基本とした作曲作業が多勢を占めるようになった。必ずしも直接演奏をしなくても、楽譜を書かなくても曲を書くことができる昨今というわけだ。

直接一か所にいなくとも、互いの作業ファイルをメールあるいはメッセンジャーでやり取りし、画面通話で意見を交わす方法により、遠い国のクリエイターたちと共同作業をすることもありふれたことになった。こういった過程を経て、伝統的な作曲と編曲の役割は徐々に変わってきている。

 

作曲家あるいはトップライナー

一般的に作曲と言えば、その言葉通り曲を書くことと知られている。伝統的な方式では、簡単な楽器伴奏をつけて主旋律(メロディー)まで作れば作曲になり、これをする人を作曲家と呼んできた。

しかし最近になって、業界では‘トップライナー(Top Liner)’という肩書が登場し始めた。ヒップホップ、EDMなどで、多様なサンプルをあたかもレゴブロックを組み合わせるかのように音楽を作る方式が大きく台頭し、あらかじめ作られているビートと合わせることのできる、核となるメロディーだけを作る人物が今までのような作曲家の役割に代わり始めたが、これをトップライナーと呼ぶのだ。

この過程で、今までと比べて多くの人数が作業に投入されるのが最近の様相だ。最近になって何人かのアイドルグループのメンバー達も作曲家として名前が上がり始めているが(いわゆる‘自作ドル’)普通はトップライナーの役割をしていると見てよい。

もちろんこの後に記述するトラックメイカーに次ぐ役割を担当する人もいる反面、ごく一部のメロディーだけ担当し作曲にクレジットされることもある。

 

編曲家あるはトラックメイカー(ビートメイカー)

編曲者(編曲家)の役割は<私は歌手だ>をはじめとして、昨年放映されたTVN<歌の誕生>、JTBC<トゥー・ユー・プロジェクト:シュガーメン>などを通じて一般の視聴者たちにもよく知られた事柄だ。

あらかじめある程度準備されたメロディーを基盤として、多くの人が好んで聴くような方向にメロディーおよび各種のコードを再配置して、楽器の組み合わせも構成し、専門のスタジオミュージシャン(セッションマン)にこれに合わせた演奏ができるように、完成図を描く役割を担当することになる。

ところが最近は、先に述べた電子楽器を基盤としたジャンルを主とした作業がよく行われるため、専門のスタジオミュージシャンの代わりに一人ないし二人程度の人数で直接全部の楽器の音を受け持って、基本トラックを作るのがいくつかのジャンルにおいては普遍視されている。

この時、この役割を担当する人を‘トラックメイカー(ビートメイカー)’と業界では呼んでいる。簡単に言うと基本伴奏をすべて作る作業をすると見れば、理解が早いだろう。この作業に関わる人数は相対的に少ない。

もちろんトップライナーおよびトラックメイカーの役割を同時に担当する人も当然ながら存在する。2000年代後半以降の代表作曲家として名声を得た勇敢な兄弟、シンサドンホンレイが代表的だ。しかし二人の最近の作品をみると、役割が多少区分されている。

勇敢な兄弟の場合、最近参加したTeentopの新譜<High Five>ではトップライナーのみ担当した反面、EXIDの<Eclipse>でシンサドンホンレイは後輩たちと共同進行したトップライナーよりは単独作業をしたトラックメイカーの役割により大きな比重を置いて曲作業を行った。

この過程では伝統的な作/編曲とは多少違った部分が発生したりもする。いくつかのジャンルでは音楽制作作業の相当量をトップライナーよりはトラックメイカーが担当するため、既存の作/編曲の境界が崩れたという意見をいう人も少なくない。

特に著作権登録の便宜上、仕方なく編曲者とクレジットされているトラックメイカーがより大きい注目を受けなければならないのでは、という主張も業界の一部では盛んに伝わっている。

 

 

共同作業あるいは単独作業

最近では、作曲あるいは編曲者のクレジットに1~2人の名前だけ記されていることは極めてまれだ。5~6人以上の共同で名前が記されているのが大部分だとみてもいいほど、今は共同作業の時代に変わっている。

理由は簡単だ。事業の観点では何人かでの共同作業が、制限されている時間に合わせて作品を直ちに作り出すことができる、という判断であり 、またそういった実績(利潤)を得ているからだ。

そもそも多くの創作物が出てくる時代に、以前のように1~2曲だけ作って採算を合わせるのは難しくなった。より多くの作業をするためには、コンベアーベルトを利用して大量に製品を生産する工場のように、体系的に分業化されたシステムが必要とされたため、自然と何名もが作曲/編曲作業に連なる方向に流れていった。

昨年話題を集めたビヨンセの傑作アルバム<Lemonade>に収録されたヒット曲‘Hold Up’には実に13人の創作者がソングライター(作詞および作曲)クレジットに名前を連ねている。もちろん既に発表された曲のサンプリングも含まれているからだが、それだけ曲一つを作るために数多くの人が連なっているのが当然の方式になっている。

既に歌手/作曲家として名声を得ているユンサンが後輩たちを集めて‘OnePiece’チームをつくり活動しているのも、やはり最近の流れに足並みをそろえるための努力の一環だ。

しかし、今も単独作業にこだわる専業クリエイターたちも少なくない。ダンス、バラード分け隔てなく、全天候型作業で名声を得たユン・イルサンの場合、相変わらず作曲編曲の大部分を一人で進めている。彼の立場においてはそれが自分に合う方法だと考えているからだ。

時々、インターネットコミュニティーを垣間見ると「Aは毎回共同作曲な反面、Bは単独作曲だからBがより優れた音楽だ」というような文が見受けられるが、実のところここには正解はない。むしろこういった考えは偏見にすぎない。

単独であれ、共同であれ、多くの人が好んで聴く曲を作ることさえできれば、その作業はもっとも正解に近いのではないだろうか?

 

 

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K-popで共同クレジットやチーム作業が増えている背景としては、ベースとなる音楽ジャンルの傾向とK-popの産業構造の大きく二つがある、ということかと思います。

特に毎日のようにどんどん曲が公開されるような今の状況だと、まあ聴いているほうは楽しみが多いですが(追いつけなくて疲れるという側面もあるけど)、確かにどんどん作らないと…というのはあるでしょうし、主たるジャンルの傾向がそれを実現できるような作り方なので(サンプル音源と作ったパーツを組み合わせて、みたいな)、互いが互いに拍車をかけているような感じもしたりします。

ともかく韓国のクリエイターたちもそのあたりは凄く自覚的な感じで、いくつか訳したMonoTreeやDevineChannelのインタビューなどでもそのあたりを意識して、自分たちなりに創作を体系化していこう、そして自分たちの立場を守ろう、という気概がうかがえます。

※参考インタビュー:[インタビュー訳]MonoTreeが夢見る音楽の世界 <br> [Weivインタビュー訳]ようやく会った人:EXOとMissAの曲を作った作曲家、イム・グヮンウク

記事に出てくるユンサンのOnePieceも「流れに足並みをそろえる努力の一環」っていうのが、なんか凄い。努力…なんだ、みたいな。

悪く言えば、曲の乱造、ということにも繋がるわけですが、残る曲は残るし、それぞれのクリエイターのシナジーみたいなものが生まれてくるのであれば、文にもある通りどちらがいい作り方、ということでもないかと。K-popって1曲のなかに唐突に違う曲みたいのが入ってきたりするのもありますが、こういう作り方だからこそ生まれるおもしろさかな、とも思います。

 

 

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