[izeインタビュー訳]2016年の作詞家② チョン・ガンジ「歌詞を書くことは自分の日記帳を見せるみたいに恥ずかしい」

前回のソ・ジウムに続き、70年代昭和歌謡のようなアレンジとサビが印象的なLovelyzの“destiny(私の地球)”を作詞したチョン・ガンジのインタビューも訳してみました。作詞家としてのスタートはSHINeeの“Punch Drunk Love”で、ティティソが出世作だったソ・ジウムと同じくSMが探り当てた?作詞家ということになります。

先に訳したミンジンf(x)Pink Tape Art Filmに流れている“尾行”はこのチョン・ガンジの歌詞です。ってことでつながりましたね。

 原文はこちら 2016년의 작사가│② 전간디가사를 쓰는 일기장을 보여주는 것처럼 부끄럽다”  http://m.ize.co.kr/view.html?no=2016052209027275349

一日中人についてくる影(f(x) “尾行”)、雷と稲妻(EXOThunder”)。今回は太陽に片思いをする地球とそんな地球に片思いをする月の話だ。Lovelyzの新しい3部作を知らしめる“destiny(私の地球)”は、アイドルの歌詞に新鮮な比喩を様々に見せた作詞家チョン・ガンジの作品であり、歌詞は太陽と地球と月の関係についての参考書にしてもいいほど具体的だ。このような何度も読み返したくさせる歌詞を書きながらも、彼女は作品を出すことは毎回本当に恥ずかしい、と話した。

 SMエンタテインメント(以下SM)以外の事務所と作業するのは初めてでは。

チョン・ガンジ ‘チョン・ガンジ’という名前では初めてだ。まず作詞を始めることになった契機から説明しなくてはならないが、幼いころからの友人の一人がSM A&R チームに入り、私に作詞をしてみないかと提案した。会えば私たちだけの表現で際限なく想像を広げ‘宇宙からの対話’を分かちあった友人で…そんな話を分かち合った空想のようなものを歌詞にしてみたらどうだろうと尋ねてきて。最初はずっと拒否した。幼いころから音楽はとても好きだったが、直接書くことは専門家の役割だと思っていたし。とにかく私は実力がとても不足しているから、恥ずかしいものが出てくるだろうと。

‐ところがはからずも承諾することになった(笑)。

チョン・ガンジ 一旦その友人がSHINeeの“Sherlock”を制作して出したのを見て、この友人なら私の恥ずかしい分をうまく仕上げてくれるだろうという信頼がめばえた。ちょうど私もほかの知人の依頼で雑誌にコラムを書く作業を手伝いながら、文を書くことに慣れてきたところだったので、目をぎゅっと閉じて歌詞を一度書いてみたわけだ。それがSHINeeの“Punch Drunk Love”という曲だった。だから今までSM以外の会社とあえて作業をしなかったのではなく、私がこの業界で知っている人がSM  A&Rチームだったその友人しかいなかったので(笑)。そうするうちにこの友人がウリムエンタテインメントに移ったので自然にそちらの仕事も始めることになった。

‐“Destiny”はLovelyzの“新しい3部作”中、最初の曲だ。今までLovelyzが見せたキャラクターから大きく外れないながらも、若干違う方向を提示するのが宿題だったというが。

チョン・ガンジ Lovelyzはデビューのときからいつも関心を集めていたので、既存の確実に成立しているコンセプトや方向性が少しでも変わってしまうことに対して警戒しながら注意深く作業を進めた。“Destiny”がLovelyzの“新しい3部作”の始まりだという事実は曲が公開された後に知ったのであって、デモを聴いてみたときには、以前の音楽に比べて少し哀しい成熟してしまったという感じが強くあった。今までの曲は初恋の“ときめき”のようだったとしたら、今回の曲はときめきではなく、せつなさが入ってきたというか。でも、それを「あなたのせいでとてもつらい、私を見て」と直接的に表現したらLovelyzが今まで積み上げてきた感情線が崩れてしまうと思った。そうするうちに歌詞もやはり感情表現よりは状況の設計という面により集中し、見るだけで胸が痛む対象を探すうちに「太陽に片思いする地球に片思いする月」が浮かんできた。

‐“静かなあなた その心に波が打つ”“傾くあなたの心には季節が呼んでくる温度差が激しく”“一度私はあなたを遮り光のつやめきをあなたにあげたいのに”など、太陽と地球、月の具体的な現象まで歌詞に溶け込ませたのには驚いた。

チョン・ガンジ 作業しながらあまりに科学的ではないか心配したが、太陽‐地球‐月の関係を知らずにその部分に人を代わりに入れた時も、それ自体で成り立つ歌詞になるようにとても整えた。解釈を知らずに聞いても曲が言おうとしていることが伝わらなくてはならないから。事実、中学校の教育課程以上の内容は歌詞で扱わないようにして、むやみに難しかったり暗号みたいに意味を隠すのは避けようとした。私がわかっている内容が間違っていないか常に検証したりもして。

‐以前に制作したEXOの“Thunder”も稲妻と雷の特徴で解いた歌詞だったが、もともと地球科学分野に関心が高かったのか。

チョン・ガンジ そうではない。中・高校の成績表でも見せたいくらいだ(笑)。いつも私の歌詞では人が優先だ。月や影・雷という比喩の服を脱がせたとき、その場所には裸の感情の人が立っていると考える。ここに服を着せてやることが私が書く歌詞の役割であり。ファッションというものは時間が経って振り返ってみると「ああ、私ったらあんな服をどういうつもりで着ていたんだろう?」と思ったりするじゃない。でもクラシックなスーツやドレスはいつでも素敵に見えて…歌のなかの感情にそんなクラシックな服を着せたかった。時間が過ぎたあとにも、あるいは全世界の誰が聴いても共感できる表現?そうすると自然と比喩、その中でも自然現象方面の比喩が多くなった。

‐比喩の素材は主にどこから選び出すのか。

チョン・ガンジ 本当にその時その時で違う。例えばf(x)の“尾行”は歌をずっと聞き続けてみたら自分でも知らないうちに“私はマニ、マニット※”と鼻歌していて。そこから出発して“マニット”というコンセプトで作ることにして、自然に影という素材に発展させることができた。私のデビュー曲でもあったSHINeeの“Punch Drunk Love”は道を歩きながらデモ曲を聴いていたら、リズムを打つ自分の足音が拳闘する人のステップみたいだったので書くことにした。本当に自分の観察力と想像力は全く秀でていない方だ。日記帳に書き散らす程度の内容が歌詞になるのだから、作業するときはいつもひどく恥ずかしい。自分の日記帳を誰かが盗み見るような…。

※マニット(마니또)秘密友達の意。韓国では知られているゲームで、数人の友人が集まってくじで決まった自分のマニット(秘密友達)にばれないようにプレゼントをしたり、親切にしたりして、最後に誰が自分のマニットだったか当てるというもの。

‐特に関連教育を受けたことがないが、作業過程が手に余ったりはしないのか。

チョン・ガンジ 作詞家として弱点がとても多い(笑)。作業するたびに「どうしてこんな風にしか書けないのだろう?」といつも考える。だから曲の依頼が来ると半分程度は書けないで終わることが多い。恥ずかしくてとても会社にお出しすることができなくて。こんな歌詞がもし採用されたらそのグループに悪いことをするようで。締め切りもとても長くかかる方だという話をよく聞いた。f(x)の“Rum Pum Pum Pum”は一番早く完成したと同時に一番長くかかったともいえる作品で、歌詞自体は1日くらいで書いたが、当時会社側ではその歌詞が気にいられなかったといって。23個程度の歌詞をさらに書いたが、すべて採用されず、3か月後に最初に書いた歌詞で進めることになったと連絡を受けた。イ・スマン先生が後からその歌詞を見て、いいとおっしゃったという話を聞いて、言葉にできないくらいとても光栄だった。

‐作詞が本業ではないと聞いているが。

チョン・ガンジ 平凡に会社に通いながら作詞の依頼が来れば書いているが、正直依頼がたくさん来る方ではない。今まで本業と並行するのが大変なレベルではないだろう。会社でも私が作詞をしていることを誰も知らない。知っている人は先に話したA&Rの友人と私の税務士だけだ。個人的にいいことは作詞を始めて新しい試みについて恐れが少なくなった。友達と話を書いてコンセプトを作り、昨年には部屋脱出カフェもオープンしてみたし、映像作業もしてみている。

‐では作詞家として最も満ち足りたのはいつか。

チョン・ガンジ 私はインターネットもそれほどしないし、歌詞についての反応を見てみたりする方ではないので、特にやりがいを感じることはほとんどない。「作詞家」という呼称自体がまだとても馴染まなかったりもして。そうだ、こんな面白いことがある。時々いとこたちと会うと私が書いたのを知らずこの歌の歌詞がどんなにいいか、ここにどんな意味が込められているか等々、私に熱心に説明してくれる。もちろん比較にはならないが(笑)そんな時、ふと「あ、スーパーヒーローってこういう気分なのかな?」と思う。

‐ほかの人の歌詞をみて、今もなお習おうと考えたりもするのか。

チョン・ガンジ 幼いころからSherman Brothersが作ったディズニー漫画の音楽がとても好きだったが、今でも聞くたびに感嘆する。歌詞の内容や韻もよく、ストーリーの一つの流れを的確に受け持つと同時に音楽的になくてはならないものも、また完璧に備えている。そしてアイドルの歌の中ではシム・ウンジさん、キム・ジンファンさん、そしてKenzieさんの作品がとても好きだ。特にKenzieさんが書かれた少女時代の Girlfriend”という歌詞は私の基準ではアイドルの歌詞の定石だ。「パボガ トゥエヨ パブル フルリョヨ(馬鹿になる ご飯をこぼす)」という部分で高頭部をばんと殴られた気分だった。そのほかにもIUの“Friday”は初めて聞いたときに、自分が書いていた歌詞がとても恥ずかしくて作業を止めるほどだったし、最近ではSEVENTEENの歌詞にずっと目がいく。その年代だけが書くことのできる、私の頭の中からは決して出てくることのない表現とエネルギーがとても新鮮でうらやましい。

‐本人はどんな作詞家として記憶されたいか。

チョン・ガンジ 記憶に残らない作詞家でありたい。だからペンネームもずっと変えるつもりだ。ただ生きていきながら、ある瞬間と感情がぶつかったとき「あ、こんな歌詞の歌があったな」と人々がひとフレーズ思い浮かべてくれる、そんな歌詞を書く作詞家になりたい。

‐これからは作品もより頻繁にお目にかかることができるのか。

チョン・ガンジ 実のところ専門的に作詞をする人間ではないので、計画があるわけではない。先にも言った通り、依頼自体も多くなく、自分が感じるに満足できない歌詞になれば、依頼がくるだけの作品もお出しできない。いつも「私は作詞の才能がないな」と思っているので、毎作品のたびに「これが最後」という気持ちで歌詞を書く。でもこれから能力さえつけば、たくさん作品を残してみたいとも思う。そうなれば多分いとこたちとする話も少し多くなるだろうから。(笑)

=============

読んでみてSMってこういう風に作詞家(たぶん他も)を発掘しているのか…、と先のソ・ジウムと合わせて、なんというかその懐の計り知れなさにちょっと感心してしまいました。おそらくこの二人は成功例で、そのまま日の目を見ずに埋もれていった人もたくさんいるに違いないと勝手に思っています。追って訳しますが、キムイナ作詞法によると、SMはキム・イナの作品も容赦なくボツにしているようで、このインタビューにも出てきますが、それだけイ・スマン先生には独特の見識眼があるということなんでしょう…。改めて言うまでもないですが。

広告

2件のコメント

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中